【工房の舞台裏】職人の手技が光る九谷焼「眠り猫(花詰)」窯入れ前作業中の様子をお届け

見る人の心をふっと和ませてくれる、愛らしい伝統工芸品。 今回は、石川県が誇る九谷焼の置物として国内外で高い人気を集める「眠り猫(ねむりねこ)」の制作舞台裏をご紹介します。
普段はなかなか見ることのできない、工房での「窯入れ前作業中」の貴重なひとコマです。
敷き詰められた美しい花々。伝統技法「花詰」の圧倒的な密度
写っているのは、職人の手によって一本一本丁寧に上絵付けされ、これからまさに最後の焼き上げ(本焼き・金彩の窯入れなど)へと向かう眠り猫たちです。
この猫たちの体を贅沢に彩っているのが、九谷焼の代名詞とも言える最高峰の絵付け技法「花詰(はなづめ)」です。
- 息をのむ職人技: 菊や牡丹といった色鮮やかな四季の花々が、器の表面を隙間なく埋め尽くすように描かれています。
- 立体的な和絵の具: 焼き上げる前の段階(作業中)でありながら、九谷特有のぽってりとした絵の具の厚みと、繊細な黒い輪郭線の美しさが際立っています。
- 上品なリボンのアクセント: 首元にあしらわれた淡い紫(ピンク)のリボンが、絢爛豪華な花詰の文様の中に絶妙な愛らしさを添えています。
命が吹き込まれる直前。緊張感と温もりが同居する「窯入れ前」
木製のトレイ(もろぶた)の上にずらりと並んだ眠り猫たちは、まだ窯に入る前の段階。おだやかに目を閉じた表情は優しげですが、工房の空気には伝統工芸ならではの心地よい緊張感が漂っています。
手作業だからこそ、猫たちの丸みを帯びた背中のラインや、お顔の表情もひとつずつ微妙に異なり、それぞれが世界にひとつだけの個性を放っています。これが最後の窯入れを経て焼き上がることで、絵の具にガラスのような透明感と深い光沢が生まれ、さらに眩い金彩が輝きを放つ完成品へと生まれ変わります。
伝統を繋ぐ現場から、こうした職人たちの熱い息遣いや「本物が生まれる瞬間」を直接お届けできることは、私たちの大きな喜びです。
まとめ 伝統の技法「花詰」を纏い、窯入れ前作業中の静かな時間を過ごす九谷焼の眠り猫たち。 職人の妥協なき手仕事が生み出す温もりを、焼き上がりの完成品だけでなく、こうした「職人の現場」を通じてぜひ感じてみてください。

